【高校生限定レポート!】私たちの街を守る堤防強化工事を見に行こう!

佐久平総合技術高等学校の皆さんが建設現場の体験学習を実施!

先日、地域の将来を担う佐久平総合技術高等学校浅間キャンパスの皆さんと一緒に、私たちの安全な暮らしを守るために行われている、ある重要な防災工事の現場を見学してきました!この工事区間は、過去に令和元年東日本台風などの大洪水時、なんと堤防の一番上(道の高さ)まで水位が迫り、消防団の皆さんが夜通しで水防活動をしてくださった経緯があります。現場で当時の状況を聞き、その緊張感が伝わってきたのではないでしょうか。もし、この堤防が壊れてしまったら…? 川の周りにある保育園や児童館、そしてなんと147戸もの家が浸水してしまう恐れがある、とても重要な場所なんです。

地域からの要望で始まった大切な工事

こうした危機的な過去の経験と、地域の皆さまからの強いご要望を受け、未来の安全を守るために、令和2年度から堤防強化の工事が実施されています。

学びの視点:昔の護岸は「空石張(からいしばり)」でなぜ崩れやすい?

見学した工事区間の川岸(護岸)は、もともと「空石張」という工法で作られていました。これは、モルタルやコンクリートなどの結合材を使用せず、石材同士を組み合わせるのみで築造されており、水の浸透や浸食によって崩れやすいという構造的な脆弱性(ぜいじゃくせい)を抱えていました。

新しい護岸は「ブロック張り」でガッチリ強化!

そこで今回の工事では、護岸をガッチリと強化するため、「ブロック張り」という工法を採用しています。このブロック張りで使用するのは、大型のコンクリートブロックです。さらに、ブロック同士を「連結金具」で強固に繋ぎ合わせて一体化させます。この技術によって、ブロックの重さと一体化による相乗効果で、大きな強度と耐久性を持たせています。本工事でこのブロック張りに切り替えることにより、護岸を飛躍的に強化し、地域の防災レベルを向上させることを目的に工事を実施しています。

工事の概要(防災・安全交付金施設機能向上(加速化)工事)

  • 工事名  令和6年度 防災・安全交付金施設機能向上(加速化)工事
  • 工事場所 長野県佐久市 鍛冶屋
  • 工 期  令和7年8月8日 ~ 令和8年3月13日

まとめ:未来の技術者へ

今回の見学会で皆さんが学んだように、土木技術は人々の生活と安全を直接的に守る、社会基盤の要です。将来、皆さんが進路を選択する際、こうした地域社会の安全と発展に貢献する建設・土木の分野にもぜひ目を向けていただければ幸いです。

今後とも、工事へのご理解とご協力をお願いいたします。

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